マスカレード ~素顔の仮面~
及川博人は、私の名刺を受け取ってくれた。
でもチラッと一瞥しただけで、すぐ隣の男性にそれを渡した。

「俺に何の用?」
「ですからお話を伺いたいと・・」
「取材なら断ってるはずだ」

なにを偉そうに!

向こうの方が私より背が高いから、本当に“上から”目線になってしまうのは仕方ないけど・・・言い方といい、私に対する態度といい、やっぱり及川博人は生意気でワガママだと、改めて認識した。

いいわよ。そっちがそのつもりなら、私だって・・・!

私は「そちらが取材に応じてくださらないので押しかけてきました」と言って、わざとニンマリ笑った。
及川博人が眉間にしわを寄せたのを見て、私は密かにほくそ笑んだ。
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