カボチャの馬車は、途中下車不可!?

腕を振り回して、私は拘束から逃れようともがいた。


「飛鳥……?」

動きを止めて見下ろしてくる彼へ、

みっともなく乱れた呼吸に胸を上下させながら、ただ人形のようにパタパタと首を振った。


やっぱり……嫌だ。
どうしても受け入れられなかった。

こんなぐちゃぐちゃの気持ちのまま、流されるみたいに車の中で、なんて。



「…………」

走行中だということを忘れそうになるくらい静かな車内に、2つの荒い息だけが満ち——


「Damm!」

小さく毒づく声。
それから。
私の身体へかかっていた重みが、消えた。

おそるおそる体を起こすと、ライアンは窓枠に頬杖をつき、じっと外を見つめてる。
きつく寄せた眉に彼の怒りを読み取って、すっと熱がひいていく。

呆れた……かな。
いい年してこんなに拒むとか。
さすがに……引いたよね。

シャツのシワを直しながら、小さく「ごめんなさい」ってつぶやいた。

「違うんだ」
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