カボチャの馬車は、途中下車不可!?

『真杉さん、騙されてますよ! しっかりしてください!』

だ、騙されて?

「あー……えっと……ごめん。も、もう会議の時間だ! また今度ゆっくり話そう! じゃあね」

ブツッ……——

我慢できなくて一方的に切っちゃった。


ど、どうしよ。
なんか私……めちゃくちゃ挙動不審な人になっちゃったかも。


——信じちゃダメです!

——そんなハイスペックな人が出会い系なんて使うわけない……


確かに……そうなのよね。
絶対全部嘘だと、私も思ってた——あの時は。
けど……

そっと、艶やかなバラの花弁に触れた。
燃え上がるような深紅に、気持ちが引きずり込まれる。


もう……わかんない。
わかんないわよ。どうすればいいの?

ヘナヘナって。
膝を抱えてうずくまってしまった。
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