カボチャの馬車は、途中下車不可!?
そりゃ、彼に惹かれてるのは事実だし。こんなに毎日構われて、守られて、もちろん悪い気はしない。
……ただ、ちょっと甘えすぎかなとは自覚してる。
なんだかんだ言っても、まだ付き合ってるわけじゃないんだしね。
でも、彼の干渉を拒めない理由っていうのがあって——
「朝っぱらから見せつけてくれるね」
笑い交じりの低い声がして、足を止めた。
「部長っ!」
後ろから追いついてきた新条部長が「ごちそうさん」って私の頭をポンっと叩いて、横に並んだ。
「お、おはようございます」
もしかして……キス、見られてた?
「かなりな溺愛っぷりだな」
うわ。見られてたかも……
「いいのか? まだ彼氏、こっち見てる。投げキッスでもしてやれば?」
「やややめてくださいっ! 彼は……別に恋人とか、じゃなくてっ!」
「へぇ? じゃ、なんで俺は今、彼から親の仇みたいな目でにらまれてるんだろうな?」
お、親の仇?
思わず振り返ると、ちょうど存在感たっぷりの白い車が車列に吸い込まれていくところ。
「お前のこと、心配で仕方ないんだろうな」
「き、気のせいですよ、気のせい」
揶揄うような視線を、曖昧に笑いながら躱した。
「でもまあ、よかったよ。ケガが大したことなくて」