カボチャの馬車は、途中下車不可!?
窓から差し込む朝日に、オフィスが白く染まりだす。
あくびをかみ殺しながら、ぐいぃっと背伸びした。
久しぶりの貫徹だぁ……さすがに眠いし、頭も重たいけど。
でも、頑張ったかいはあったかな。
プリントアウトしたそれを眺めながら、ホッと安堵の息が漏れた。
最低限、なんとか見せられるだけのものはできた、っていう気がする。
もちろん、足りない部分はたくさんあるから、トークで補わなきゃいけないけど……。
私一人だったら、途中で諦めてたかもしれない。
チラリと、熟睡中のライアンへ目を走らせた。
——あぁ〜この人がここに映ってなかったら、この写真使えるのに!
真夜中過ぎだった。
とある処理にひっかかってぽろっとこぼしてしまった自分の愚痴を思い出す。
——消せるよ。大きさや位置にもよるけど。
返ってきたのは、そんな頼もしい言葉。
そして彼は、フォトショップでの操作方法を教えてくれて。
それから後もぽつぽつ、データ処理やデザインについて相談すると、その都度わかりやすくて的確なアドバイスをくれた。
おかげで大幅に作業効率はアップしたし、完成度も上がった気がする。
何より、一人じゃないっていう安心感が、集中力を高めてくれたのは間違いない。
「できた!」って叫んだ途端、ふにゃ〜ってデスクに突っ伏しちゃったから、自分だって相当眠かったに違いないのに。