カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「こっちで静かに、自分の仕事でもしてるよ。内容について、質問したりもしないから」

「つまり……一緒に徹夜するつもり? どうして?」

「真夜中の仕事って、眠いし孤独だろう? 誰かそばにいた方が、頑張れるんじゃないかと思うんだよね」

飛鳥が寝そうになったら、キスして起こしてあげるよ。なんて、ニヤリとするから、カァッと頬に熱が上る。

「で、でも……時間外の仕事なんて、ライアンは認めてないんでしょ? しかも徹夜なんて……」

「そりゃ、ワーカホリックだなとは思うよ。でも飛鳥がこの仕事に誇りを持ってて、大事にしてるってことはわかるから。だから……応援したい」

「おうえん……」

「好きな人の力になりたいって思うのは当然だろ?」

「っ……」

何て言ったらいいのか、わからない。

やめてよ。そんなに私に構わないで。
優しくしないで。

……どうしよう。
仕事のこと、考えなきゃいけないのに。
彼のこと、考えてる場合じゃないのに。

心臓が、うるさくてたまらない——


「ま、後でちょっとご褒美、とか? 下心ってやつは、あるけどさ」


たぶん、今……私の顔は真っ赤だ。
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