カボチャの馬車は、途中下車不可!?
恐々と目を開けてみると、本宮さんの顔が大河原さんを見つめたまま引きつっている。
唇なんか、真っ白で、
ワナワナ、震えてて。
え、なんで?
大河原さんのお気に入りなんでしょ?
なんでそんな怯えたような顔……してるわけ?
首を傾げる私の前で、本宮さんがようやく、その戦慄く唇を開いた。
「いやぁその……代理店のくせに、プレゼンすっぽかすとかありえないですよねえ。性根入れ替えろって、カツ入れてたんですよ。部長の代わりにっ!」
「……なるほど。私の代わりに?」
「ええっ!」
「そうか。そりゃそうだろうな。48にもなって、未だ独身で子どももいない私のような未熟者には、任せておけないと思ったんだろう?」
ん?
そのセリフって……
さっきの話、聞こえてたの?
視線を巡らすと、遅れて入ってきた樋口さんが、私にそっと目くばせした。
知らなかった……
大河原さんって、独身だったんだ。
「いえ、あのそれは、ですね……」
本宮さんはみるみる鼻息を荒くして、ぱかんて口を開けたまま喘ぎだす。