カボチャの馬車は、途中下車不可!?

本宮さんは私へ向き直ると、また大げさにガバァって頭を下げた。

「すすす、すみませんでしたっ! ごめんなさいっ!!」


「あ、あの……」


目の前で土下座なんてされたことなくて。
この状況ってどうすればいいの? ってオロオロしてると。


「もういいだろう。さっさと出ていけ」

突き放すような声がした。
クーラー効きすぎなんじゃないかってくらい冷え切った口調に、本宮さんが震えあがる。


「や、あの……」



「出ていけと言ったのが聞こえなかったか? この部屋からでも、この会社からでも、どちらでもいいが。独り身で責任感のない人間と一緒に仕事などしたくないんだろう? だったら、今後私とは一切関わらなくて結構だ。妻も子どももいて、家庭人の見本たる君は、さぞかし完璧でできた人間なのだろうから、私のサポートなどなくても平気だろうしね。あぁ大丈夫、君の上司には後で私からよくよく言っておくから、心配には及ばない。そういえば信じがたいことだが、私と君の仲がいいなどというデマが流れているらしいな。この際だ、そちらもちゃんと否定しておこう」

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