カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「お前の仕業か、樋口」
ため息交じりの声に、まだ呆然としたままの頭を上げた。
「私にしばらく席をはずすように言い、先に本宮をこの部屋へ通す。そしてあいつが自滅するのを待った、というわけか」
樋口さんを見ると、「はぁ……あの」ってどもりながら、例のボールペンを手の中でくるくるこねくり回してる。
「日程変更伝えてないって、しゃべってくれたらいいなって、思っただけなんですけど…………」
そしてペンをキュッと握り締め、私へと視線を合わせた。
「まさか、あんな失礼なことを言い出すなんて、思わなくて……」
申し訳なさそうに長い首をすくめる樋口さんに、私は笑顔で首を振った。
「全然平気です。気にしないでください。おかげで大河原さんとお話しできるわけですし」
弾んだ声で言った直後。
「勘違いしないでほしいが、YKDの失格は取り消さないぞ」
ぴしゃりと拒絶されて、なごみかけていた空気が霧散した。
「しかし部長っ! 今回はこちら側にも原因がっ」
「事情はわかってる。だが確認作業をちゃんとしていれば、防げたはずだろう?」
「それはそうですが……それは僕がっ」