カボチャの馬車は、途中下車不可!?

探っても探っても、それらしい感触はない。

最悪だ。
部屋の鍵、持って出るのを忘れたみたい……。


ついてない時って、どこまでもついてないらしい。
泣きたいような惨めな気持ちで、重たい息を吐いた。

どうしよう……フロントまで戻らなきゃいけないかな。

また都築さんに会うのは嫌だな。
ライアンが帰ってくるまで、どこかで時間つぶそうか……

迷いながら部屋の前をうろうろしていたところへ。
ラッキーなことにハウスキーピングの女性スタッフが、荷物を積み込んだカートを押して、廊下の向こうに現れた。

「あの、すみませんっ」

ホッとして、駆け寄った。

「はい?」

「3701の部屋の者なんですけど、カギを持ってでるの忘れたみたいで。開けてもらえませんか?」

年配のスタッフは、慣れたように「あぁはい」って頷いた。
「念のため、ご宿泊者様のお名前をお伺いできますか?」

「ライアン・ベッカーです」

宿泊名簿を確認してるんだろうか。
小型の端末を覗き込んでいた彼女の目が、当惑したように瞬いた。
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