カボチャの馬車は、途中下車不可!?

シャワーを終えると。
コンビニで買いこんだお弁当にも手をつけず、ベッドへ倒れ込んだ。

自分のベッドで寝たかったけど……あのマンションにはまだ戻らない方がいいわよね。
見張られてるかもしれないし。

一体、いつまで逃げ回ればいいんだろう?

一つだけ救いがあるとすれば、謹慎処分のせいで引継ぎはできていて。
とりあえずクライアントへの支障はなさそう、ってことくらいかな。

こんな時まで仕事の心配なんて、どんだけワーカホリックなの私って。

笑おうとして失敗して、ゆがんだ唇のまま、白々と照らされた天井を見上げた。


ここまで来たら、もう全部がつながってると考えた方が自然よね。

駅での事故も、飲酒運転の事故も。
今日のことも。

彼らは……ライアンの仲間?

一体、何のために?


彼については、思い返せば、確かにおかしなことはあった。

私の仕事の話はよく聞きたがるくせに、自分の仕事についてはあまり話したがらなかったり。
社長に紹介することも渋ったり。

御曹司だって言うのも、お父さんの会社の話も。
確かめたわけじゃない。
彼の態度や言葉、持ち物から、そう信じ込んでしまっただけ。

私は、彼のことを本当に何も知らなかったのだ。
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