カボチャの馬車は、途中下車不可!?

華奢な肩を震わせて泣き崩れる姿は、あまりに頼りなくて小さくて……彼女に対する怒りが、しゅるしゅるとしぼんでいく。

脅されてたんなら、仕方ないわよね?
それで責めるのは……可哀そうかも。


「……飛鳥さ、今、彼女が可哀そうとか思ってるだろ?」
「え? あ、う、うん?」

え? なんで呆れ返って何も言えない、みたいな……そんなコワイ目でこっち見るの?

「お人よしすぎ」
「お、ひとよし? なんで?」

「隠しても無駄だと思うけど?」

ライアンの言葉に、青山さんはカッと気色ばんだ。
「な、なに言ってるのっあたしは何も隠してなんかっ!」


「後で都築たちに確認すれば、どうせバレちゃうよ? 全部のシナリオを描いたのが君だって」


え——?

「最初、飛鳥はあくまで、その日限りの代役の予定だったんだよね? でも僕と飛鳥が連絡を取り続けていることを知って、君は自分のことが漏れるんじゃないかと怖くなった。それで河部たちをそそのかしたんだろう? ちょうどいい、罪をかぶってもらって、事故か自殺かに見せかけて始末してしまえばいいじゃないか、ってね」

淡々と告げるその言葉の意味は理解できても……すぐには信じられなかった。

彼女が、私を……? 河部たちじゃなくて?


青山さんを見ると、彼女はもう、泣いてはいなかった。
ムスッと、子どものように唇を尖らせてるだけ。
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