カボチャの馬車は、途中下車不可!?
ハッキリ区切って言うと、がーーーーーーーん、って殴り書きしたいような表情が彼の顔に浮かんで。
ブブって吹き出しちゃった。
散々振り回されたんだもの。
これくらいのイジワル、許されるわよね?
それから私は。
彼の首へ両腕を絡めて、引き寄せた。
「私だけ幸せにしてもらうなんてイヤ。一緒に、幸せになろう?」
——次の瞬間。
ふわぁっと、翡翠の瞳が大きく見開かれて。
私は、そこへ鮮やかに映し出される自分を見た。
「もう……王子様でも御曹司でもないけど、いいの?」
「私もお姫様じゃないし。ちょうどいいんじゃない?」
「そっか……お似合いだ」
2人でくすくす、額を押し付け合いながら笑う。
「大丈夫だよ。ハッピーエンドは約束するか——」
彼の言葉は、私が押し当てた唇へ吸い込まれた。
そのまま何度か、じゃれるように唇を触れ合わせて。
やがてどちらからともなく口を開き、お互いの舌を探り当てる。
「ん、……っ!」
一気に全身が……やるせないほど甘やかに、心地よく蕩け出した。