カボチャの馬車は、途中下車不可!?
寂しかったと。
欲しかったと。
触れたかったと。
ただ無言で伝え合う口づけは、箍が外れたみたいに、制御不能になっていく。
きっと、パズルは未完成のまま。
彼のすべてを、私はまだ知らない。
不安がないって言えば、嘘になるけど……。
それでも、もう引き返せない。
過去も欠点も、全部ひっくるめて、それが彼で。
私はそんな彼のすべてに
魅せられて
囚われて
惹かれてしまった。
彼が一緒に生きようと言ってくれるなら、私の中に、迷いはない。
「愛してる……飛鳥」
「ぅんっ……私、も……愛してる」
涙に滲む視界の向こう、翡翠色の海に満ちる光を感じながら。
私はそっと、目を閉じた。
◇END◇
予想以上に長くなってしまい……読了してくださった皆様には、ただただ感謝! でございます。本当にありがとうございました!


