カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「……っ」

長く白い指が、明確な意思を持って私の唇に触れた。

眩暈がする。
ぐらりと傾く体は、もう彼なしでは立っていられないほど——


ダメだ。
……頷いたら、ダメだ。

引き返せなくなる。


何も答えられない私へ、彼はなめらかな頬を傾けた。

近づいてくるその唇に、視線が吸い寄せられてしまう。


ダメだ。

わかってるでしょう?
この人は……



ダメだ——


ギュッと、唇を噛んで。
理性を総動員して顔をそらし、かすれた声を振り絞った。


「……ごめんなさい」

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