カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「……べ、べつ、じん?」
思うままにならない口を、なんとか動かす。
「メールだとさ、マユミってもっと……」
続きは、くぐもった笑いとともに、露わになった胸元に押し付けられた唇の奥へ消え。
私の耳には届かなかった。
でも——
『メール』? 『マユミってもっと』……?
含まれたワードが、痺れるような陶酔感を遮断した。
「ちょ、ま……っ」
あんなに熱かった体が、急速に冷えていく。
そうだ……メールを送ったのは、私じゃない。
私、何をしてるの?
今日、彼に会ったのは何のため?
彼を、フるためでしょう?
彼が興味を持ったのは、メールを送った女で。マユミで。
つまりそれは——青山さんで。
私じゃ、ない。
私じゃ……