カボチャの馬車は、途中下車不可!?

ダメだ……こんなの、やめなきゃ。

頭では理解してるけど、
気持ちも体も。
坂を転がっていくボールのように、もう止められない。

私の全身をまさぐっていた手が、するりと背中に回り。

ファスナーを一息に下ろした。

「……ぁっ」

ひやりと異質な空気に肌が馴染む間もなく、するりとドレスは床に落ちて。
彼の視界に下着姿を晒している事実に、かぁっと頬が染まっていく。


かすかに、息をのんだ気配がした。

「へえ……かわいい反応。ティーンみたいだな」

ティ、ティーンって……

羞恥の余り定まらない視線を、なんとか上へ向けていくと。
揶揄うような笑みをにじませた、翡翠色の瞳とぶつかった。


その時、気付いた。

陸揚げされた魚みたいに、いっぱいいっぱいの私とは対照的に、彼の呼吸にはわずかの乱れもないってこと。

これが経験の差ってやつなんだろうか。


「驚いたな。まるで別人だ」
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