新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
華金ともあって、見渡す限りセレブなカップルだらけだし、何もかもがキラキラしていて目が痛い。
「…………」
ふと、硝子に映った自分の姿に目をやると、今度は頭が痛くなった。
約束の時間に間に合うように、急いで着替えてきたとはいえ……少し、思慮不足だったかもしれない。
セールで買ったネイビーのワンピースは膝丈Aラインで、かろうじて清楚さは保っているものの、残念ながら華やかさとは到底かけ離れて見えた。
……地味すぎる。
もっと、ブランド物のベビーピンクのスカートとか履いてくるべきだったし、せめてもう少し色のあるものを選べばよかった。
とはいえ、残念ながらそんなものは持ち合わせていないから、考えるだけ無駄なことだ。
それでも、パンプスくらいはもう少し良いものを履いてくるべきだった……と、今更後悔しても、もう遅い。
今から家に帰って替えていたら、約束の時間には到底間に合わなくなってしまう。
自分の格好がどうこうより、相手を待たせることのほうが失礼だろう。
「お客様、いかがなさいましたか?」
「……わ、っ⁉」
思わず自問自答していたら、親切なボーイさんが声を掛けてくれた。
私は慌てて会釈をすると、エレベーターに向かって歩き出す。