新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
『わぁ……かわいい……』
夕日を背負った彼がポケットから取り出したのは、桜のチャームがついたネックレスだった。
目を輝かせながらネックレスと男の子を交互に見ると、その子は再び静かに口を開いた。
『……今はまだ、こんなことしかできないけど。でもいつか必ず、今度は僕が君を助けるから』
そう言った男の子は私の手にネックレスを握らせると、逃げるように公園から去っていった。
私はただ、意味がわからずに、遠くなる彼の背中を見送ることしかできなくて……。
『さくら、だぁ……』
手の中で小さく光る、自分と同じ名前の桜のチャームがついたネックレスを握りしめた。
今になって思えば、あの子は遠い親戚か何かだったのだと思う。
私と同じ、黒の礼服に身を包んでいたということは、あの子もお父さんとお母さんの葬儀に参列してくれていたのだろう。