新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない


「彼と出会って気がついたんです。自分の " 最善 " は、自分が心の底から笑えることなんだ……って」


ずっとずっと、不安な日々を送っていた。

けれど今は、俯いてばかりではなく、まっすぐに前を向いて歩いていこうと思える。


「私は……そんなふうに、私とおばあちゃんを支えてくれる彼を、今度は私が支えたいとも思ってるんです。それが自分の夢を叶えることにも繋がるから」

「花宮の夢に?」

「はい。それでこの先ずっと、私は彼が私を大切にしてくれる以上に、彼のことを大切にしたいと──」


「思っています」と、言いかけたところで不意に、店内にカラカラン……という大きなベルの音が響いた。


「……えっ?」


直後、声を漏らしたのは正面に座す根岸さんで、私はつられて彼の視線の先へ振り返った。

暖色の灯りに包まれた空間。

店内はほぼ満席で賑わっていたけれど、一際輝くその姿はすぐにハッキリと、認識することができた。

< 155 / 273 >

この作品をシェア

pagetop