新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「しゃ、社長⁉」
驚きの声を上げたのは、カブくんだ。
続けてサツマちゃんが「えっ?」と声を漏らして振り返った。
「うわっ、ほんとだ」
ナスさんと根岸さんは呆然としながら湊のことを見ていて、私も同じく固まったまま動くことができない。
「……ああ、良かった。まだ、お開きにはなってなかったんだな」
けれど動揺している私たちとは裏腹に、いつも通り綺麗な笑顔を浮かべた湊は、さり気なく私が座る椅子の後ろに立った。
椅子の背もたれに添えられた彼の手が、背中に触れる。
たったそれだけのことなのに、心臓は今にも爆発しそうなほど高鳴っていて、クラクラと目眩すら起こしそうになった。
「しゃ、社長、戻りは日曜の夜じゃなかったんですか?」
「……ああ、その予定だったんだけど、急用ができて夕方の便で戻ってきたんだ」
ふわりと鼻先を掠めたのは湊が纏う甘い香りだ。
思わず胸がギュッと締め付けられて、背後に立つ彼の身体に触れたくなる。