新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない



「そういうことでしたら、残念ですけど……。契約のことなら花宮も心配だと思いますし、社長にお任せします」


言いながら困ったように笑った根岸さんは、もしかしたら私の家の事情を含めた契約の話だと考えたのかもしれない。

今の今までおばあちゃんの話をしていたし、彼なりに察したつもりだったのだろう。

居たたまれなくなった私は「すみません……」と頭を下げると、改めてテーブルのみんなにも「ごめんなさい」と謝罪する。


「せっかく、私の歓迎会をしてくれたのに……」

「いや、まぁ……これから飲み会なんて、いくらでもできるしな」


すぐに返事をくれたのはナスさんで、サツマちゃんは相変わらずの相槌を打った。


「そっすねー。今日もそろそろイイ感じの時間だったし、うちらももう少ししたら帰るかーって勢いですし」


言葉の通りなのだろう。

サツマちゃんはもう何杯目かもわからないビールを再び豪快に煽ると、手で蓋をした。


「ありがとう。ここの会計は済ませておくから。あと新企画の件についてもメールで確認した。良い感じだと思うし、その話はまた月曜の朝イチで、すり合わせをしよう」


そうして湊はさり気なく私の背中に手を添えると、足元に置かれていた私の鞄を手に取った。

その一連の動作を見ていたサツマちゃんが一瞬不思議そうに湊を見上げたけれど、湊は気にした様子はなく堂々と私を見つめる。

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