新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「……それじゃあ、行こう」
「は……はいっ」
耳元で響いた甘い声に、身体の芯が小さく震えた。
私は慌てて立ち上がると企画課のみんなにもう一度だけ頭を下げて、前を歩く湊のあとを追った。
「ありがとうございましたー」
背後で聞こえた店員さんの声が、すぐに街の喧騒にかき消される。
一歩、外に出ると冷たい空気が頬を撫でて、店内の熱気で火照っていた身体を冷ましてくれた。
見上げれば、まばらだけれど夜空には星が輝いている。
前を歩く湊は、私を決して振り返らない。
けれど、お店が見えなくなる角を曲がった瞬間、唐突に足を止め、徐に私を振り返ると──。
「みな──っ⁉」
次の瞬間、息吐く間もなく私の唇を強引に塞いだ。