新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「ほら、早く可愛く強請って、俺を止めてみて」
「そ、そんなの……っ」
か、可愛く止めるって……そんなの、どうすればいいか、わからない。
というか、そもそも、こんなことをしている場合ではないんじゃないの?
何か契約のことで大切な話があるから、私を連れて出たはずなのに……ここで、油を売っている場合ではない。
「しゅっ、出張を切り上げて帰ってくるほどの急ぎの案件があったんじゃないの……?」
「別に出張を切り上げてきたわけじゃない。二日分、仕事を巻いて終わらせて、急いで帰ってきただけだ」
「ん……っ。で、でも、私の契約の話だって……」
「ああ、それは嘘」
「う、嘘!?」
けれど、頼みの綱ともいえる抵抗の理由は、湊に呆気なく一蹴された。
おかげで、逆に現実に引き戻された私は、目を丸くして彼を見上げる。