新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「う、嘘って……それならどうして、私を歓迎会から連れ出したの……?」
「それはもちろん、今すぐ桜を堪能したくて、桜が家に帰ってくるまで待てなかったってだけだ」
と、飄々と言ってのけた湊はそっと目を細めると、私のことを真っ直ぐに見下ろした。
「それ以外にも、酔っ払って隙だらけになった桜が、他の男に手を出されないか心配だったってこともあるけど」
「そ、そんなこと……」
「ガキみたいだよな。せっかくの、桜の歓迎会だっていうのに……。自分もまさか、自分がこんなに器の小さい男だとは思わなかった。だけど、桜のことになるとどうしても、我慢が効かないんだ」
「ごめん」と続けた彼の綺麗なブラウンの瞳には、小さな私が映りこんでいた。
自分が止めたくせに、ほんの少し離れた身体が寂しくて、思わず彼のジャケットを掴む手に力がこもる。
「……ど、どうしても最優先させたい案件だなんて言うから、何か大変なことなのかと思いました」
「俺にとっては、桜はどうしても最優先させたい案件だけど? だから、間違ったことは言ってない」
「……っ!」
フッと、口元を綻ばせた湊は、私の額に口づけた。
そうして唐突に私の手を引くと、「行こう」と呟き、再び歩き出す。