新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「……花宮 桜さんですか?」
「……っ!」
つい、足元を見ながら歩いてしまっていた私は、唐突に名前を呼ばれて弾けるように顔を上げた。
すると視線の先には、にこやかに微笑む男性が立っていて、思わず固まり、目を見張る。
「はじめまして。今日は、お会い出来て光栄です」
品の良い、チャコールブラウンのスリーピーススーツと、紳士な仕草で胸に添えられた手のひら。
スマートマッシュの黒髪に、綺麗な二重のアーモンドアイ、筋の通った鼻筋。
形の良い薄い唇と、女の私でも羨ましくなるような滑らかな肌。
左目の下の泣きぼくろが印象的な、見惚れるほど綺麗な男の人だった。
「花宮さんの大切なお時間をいただき、とても恐縮です」
そう言う彼の背は、私よりも頭一つ半ほど高いだろうか。
スーツの上からでもわかる引き締まった身体は、普段から何か、スポーツのようなものをしているのかもしれない。
──こんなに綺麗な男の人、見たことがない。
それほど今、目の前に立っている人はどこか現実離れした、極上の容姿をした人だった。