新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「桜、俺、本当は──」
けれど、続けて湊が何かを言おうと口を開いた、そのとき。
ふと、視界の端に移ったおばあちゃんの手がピクリと動いた。
「お、おばあちゃん……っ!?」
椅子を蹴倒す勢いで立ち上がった私は、慌てておばあちゃんの手を取り声をかけた。
湊もすぐに気がついて、おばあちゃんのそばに寄る。
「おばあちゃん……っ、わかる!?」
必死に声をかけると、この二日間、閉じられたままだった瞼がゆっくりと持ち上げられた。
「意識が戻りました……!」と、ナースコールを押したのは湊で、私はおばあちゃんの手を握ったまま何度も何度も声をかけ続けた。
「さくら、ちゃん……?」
酸素マスクをつけたまま、くぐもった声で、おばちゃんが私を呼んだ。
私は何度も必死に頷きながら、「ここにいるよ」と、答え続けた。