新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
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──「相変わらず予断を許さない状態ですが、意識が戻られたのは奇跡的、としか言いようがありません」
そのあと、ほんの少しおばちゃんの容態は落ち着いたように思えたけれど、先生は私と湊に深刻な現実を淡々と告げた。
「相変わらず、いつ、何があってもおかしくないという状態です。もちろん、こちらとしては最大限手を尽くさせていただきますが……」
その言葉を、どこか他人事のように聞いていた自分もいる。
だって、おばちゃんは目を覚ました。
だから絶対大丈夫だと……私はどうしても、そう思いたかったのかもしれない。
「……わかりました。ありがとうございます」
先生に頭を下げた湊の隣で、私も静かに頭を下げた。
そうして湊と連れ立っておばちゃんの病室に戻れば、私たちの気配に気付いたおばちゃんが、閉じていた瞼を音も無く持ち上げた。