新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「……ヤバイな。桜が可愛すぎて、ここから出してやれそうにない」
「ん……っ」
再び深く甘いキスを落とした湊が、今朝、私が締めたネクタイを緩めた。
まさか、このままここで──?
けれど、そっと伸びてきた手がスカートの裾を持ち上げて。とうとう抵抗する力もなくしかけた、そのとき──。
「……っ!」
──コン、コン。という、軽快なノックの音が部屋に響いて、私たちは同時に動きを止めた。
反射的に音のした方へと目をやれば、続けて声が投げられる。
「……お取り込み中のところ、失礼いたします。このあとのスケジュールが詰まっておりますので、お迎えに上がりました」
扉の向こうから聞こえたのは、近衛さんの事務的な声だ。
それに慌てて我に返った私は身体を起こすと、いつの間にか外されていたブラウスのボタンを必死にとめる。
「……近衛め」
苦々しく吐き出された湊の言葉に、顔は余計に熱を帯びた。
同時に、「ハァ……」と息を吐いた湊が、壁一枚向こうに立つ近衛さんに声を投げた。