新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない


「こっちで話そう」


続けてそう言った彼に手を引かれ座らされたのは、いつも私たちが並んで座るソファーだった。

ギシリ、とスプリングが小さく唸って、私たちの重さのぶんだけソファーが沈む。

静かな部屋の中には私たちの呼吸音だけが響いているようで、なんだか少し落ち着かなかった。


「……今更こんな話をするのはどうなのかって、ずっと悩んでた」


僅かな沈黙を破ったのは湊の穏やかだけど重さを含んだ声で、私は反射的に喉を鳴らした。


「だけど本当は、最初に話しておくべきことだったんだと思う。それでも桜にどう思われるか不安で……今度のクリスマス企画が一段落するまでは黙っていようと思ったんだ」


クリスマス企画が一段落するまで。

それは、GIFTシリーズの公表が成されるまでということだったのだろう。

だけど湊がそこまで気にする話とは一体なんなのだろう。

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