新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない


「作者の名前が"花宮 桜"だ……って聞いて、胸が震えた。まさか、こんな偶然があるのか、って。だけどあの時はまだLunaを新しく産まれ変わらせるっていう仕事に手一杯で……桜に会いに行く資格もないと思ったんだ」


──そして私たちは、三度目の再会をする。

ネットショップを通じて、私たちは再び巡り合った。

……ああ、そうか。そういうことだったんだ。


『花宮さんは"運命の再会"というものについて、どう思われますか?』

『三度目の正直……というものに掛けて言えば、三度目の運命の再会……とでも言いましょうか』
 

以前、近衛さんに聞かれた言葉が脳裏を過ぎった。

あの時私は、それは近衛さんの恋の話なのかな、なんて呑気に思ったけれど、そうじゃなかった。

きっと近衛さんは全部知っていて……知った上で、私に問い掛けたのだ。

湊と私の再会のことを、近衛さんは聞いたのだ。

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