新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「それまで運命だとか、そういう曖昧なものを信じたことはなかった。だけど、桜を前にしたら運命を信じたくなった。桜と……家族になりたいと思った」
そっと抱き寄せられて、涙があふれる。
あのとき湊が私に対してそんなふうに思ってくれていただなんて──私はちっとも気づけなかった。
「だけどいつ、ご両親の事故のことと……そのネックレスのことを話そうか、ずっと迷ってた。桜にとっての辛い記憶だろうし、話したことでそれを思い出させるのが怖かったんだ」
──湊は、どんなときも私の気持ちを一番に考えてくれていた。
優しく守り、支えてくれて……私を思い、いつだって隣に立ってくれたのだ。
「それでも、話さなきゃいけないと思った。桜に、"家族"になりたいって言われたとき、そう思った」
「みな、と……っ」
「今までずっと、話せなくて悪かった。桜……俺は、君を心の底から愛してる」
両親の事故のことや、トウジさんのこと。
ネックレスのことや仕事のことを全て取り払ったとしても今、自分は私を愛しているのだと湊は言った。