新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「すみません……」と、自分でも何か悪いことをしたかな?と疑問に思いながら、遠慮がちに語尾をすぼめた。
だけど、このままだともっと勝手に話を進められそうで、声を上げずにはいられなかったんだ。
言葉を切られた彼はキョトンとした表情で、私のことを見つめている。
……とりあえず、深呼吸しよう。
「ふぅ……」
今、彼が言ったことを一つずつ整理するとこういうことで当っているだろうか。
──まず、おばあちゃんは自由が丘にあるLuna本社付近で一番設備の整っている病院に転院する。
如月さんの知り合いのお医者さんにも、聞いてくれるということだ。
これについては以前から、本当は少しでも良い環境、良い設備で治療を受けさせてあげたい……と考えていたから、有り難い。
もちろんそれには費用も関係してくるけれど、お給料が上がるのなら可能かもしれない。
そのためにも私は今勤めている会社を直ぐにでも辞めて、Lunaの社員になる。
よくわからないけど、その根回しは如月さんがしてくれるらしい。
親会社の社長の息子だし、そのあたりの権力でも使う気なのだろうか?
とはいえ、辞めるときに今の会社に迷惑をかけることなく、スムーズに話が進むのなら、それもまた有り難い話だけれど……。