夏恋(ナツコイ)!

「ふんだ、さっきはそっちがひどいこと言ったんだし、これでおあいこだからねーだ!」

「おあいことかあるかーこのバカ女!」

掴みかかってくるのを避けて、雅和さんの後ろに隠れると、

すかさず身体でガードしてくれて、キュンとしそうにもなる。

「……仲いいみたいだけど2人とも。本当に、彼女と付き合っちゃってもいいのか?」

言われて、一瞬黙って私の方を見て、

「あったり前だろう〜」

言うと、

「あげるあげる。っていうか、その前に俺のもんだった時もないけどな!」

と、浩平はけらけらと笑った。

「ほんっと憎たらしいわ、浩平って!」

いい加減頭にきて、「もう雅和さん一緒に帰りましょうよ」と、先に歩き出した。

「ああ、俺はいいけど…でも、置いてきていいのか? あいつ…」

と、後ろを振り返るのに、

「いいんですよ、あんな奴!」

聞こえるように少し大きい声で言うと、

「ばーか、夏季!」

と、大声が飛んできた。


ああ、もうほんとムカつくー。バカはそっちだし、浩平!!

こうなったら、雅和さんと本気で夏の恋始めちゃうんだからねーだ!



< 7 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop