溶けろよ、心
*
「おっす」
私たちは昇降口で待ち合わせた。
制服の白ワイシャツがよく似合う町田くんを見ると、自然と笑みがこぼれた。
「ふふふ」
「何笑ってんだよ」
言葉は厳しめだったけど、町田くんも笑っていた。
「俺のクラスでいい?」
3年生の教室はすべて2階にある。
階段を上りながら町田くんはそう言った。
「誰かいるかな」
「いるかもね。いたらダメなの?」
「ダメじゃないけど…」
2人の方がいい…のかな。
でも緊張しちゃうしな。
どっちでもいい。