溶けろよ、心






「おっす」


私たちは昇降口で待ち合わせた。


制服の白ワイシャツがよく似合う町田くんを見ると、自然と笑みがこぼれた。



「ふふふ」


「何笑ってんだよ」


言葉は厳しめだったけど、町田くんも笑っていた。




「俺のクラスでいい?」


3年生の教室はすべて2階にある。

階段を上りながら町田くんはそう言った。


「誰かいるかな」


「いるかもね。いたらダメなの?」


「ダメじゃないけど…」



2人の方がいい…のかな。

でも緊張しちゃうしな。


どっちでもいい。




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