野良ネコと…………ひなたぼっこ
河川敷に車を止めて

さっきコンビニで買った、手持ち花火を取り出した。

「頑張って起きててくれたお礼に、目の覚めるプレゼントだよ。」

ライターで火を点けると

「わぁ!子供の頃以来!!」と嬉しそう。

そりゃあ、そうだよなぁ~

家庭が上手くいってないのに…花火なんてするわけないもんな。

夜、暗くなってする花火を、友達と見に行かないはずだから………

子供の頃にみたのが最後っていうのも、頷ける。

はしゃいでる彼女が、愛しく見えてしょうがない………。

肩を抱き寄せて撮った写真に

「夏の思い出……1個目だね!」って喜んでいる。

そう、これからドンドン増やしていこう。

今年だけじゃない。

毎年、毎年。

おじいちゃんとおばあちゃんになるまで……

沢山の思い出を増やしていこうね。

先ずは、花火大会で………浴衣が着せたいなぁ。

女の子らしい思い出が作ってあげたい。

多分、彼女は浴衣を着てお祭りに行ったことはないはずだから………。

持っているかと訪ねたら、学校で着たらしくてあるみたいだ。

無いなら、買う楽しみまであったんだけどなぁ………

まぁ~しょうがないかな。
………………………。

さっきから、視線が痛い。

確か唯ちゃんは、花火を観ていたはずなのに……

ナゼか今、オレの顔をじっと見つめている。

…………………まさか。

「えっ!!オレが着せると思ってない???
いくら性教育をするって言ったからって………そんな事………。
ちゃんと女の人が着せるから、安心して。」

やっぱり唯ちゃんには、スケベなオジサンとして

映っているみたいだ。

う~ん。…………………。
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