不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
 まゆこは、背を打たれたようにして身体全体をびくりと震えさせると、口元に当てていた手を下した。

 ぐっと唇を引き結んだ。ようようにして口を開く。

「エルマ、ありがとう。部屋へ戻って着替えます。今日は〈太陽の微笑み〉をつけたいわ。あなたが持ってきてね。今回だけはということで、デイジーにお願いしておくから」

 わずかに硬直してからエルマが頭を起こす。目が優しく眇められた。

「かしこまりました」
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