不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
 ――大扉の外には衛兵がいる……。散歩したいなんて言っても、出してもらえるはずはないよね。

 ジリアンのところへ案内してほしいと頼みたいが、多分、断られる。逆に案内してもらうと、明日には城中の噂になりそうだ。

 サイドテーブルにある小さな引き出しを開ける。入れておいた鍵を手に取った。

 引き出しの中には、バラ園のところで取れてしまったヒイラギの葉もある。お守りのような感覚で、近くに置いていた。

 まゆこは、ハンカチに包んだそれを取ると、両手でそっと囲んだ。

 ――ってくるわね。ジリアンが怒らないといいんだけど。

 彼女に対して怒ったことがなくても、少々不安だ。ヒイラギの葉はそういう不安を宥めてくれるようだった。
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