不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
 部屋に設えてあるソファをジリアンに示されたので、そちらへ行って座った。

 彼は、ベッドのサイドテーブルの上に用意された白湯とコップを、盆に乗せたまま持ってきた。

 ローテーブルの上に置いてから、対面のソファに座る。

 ガウンの乱れた襟元から覗く胸筋や、歩くときに裾から出る脹脛など、いつもはきっちり隠されている部分が覗いている。

 恐らくだが、ガウンの下には何も着ていない。

 まゆこの目は、どうしても伏せがちになった。ジリアンは、彼女のそういう仕草も面白いと感じるようだ。微笑と共に言われる。

「恥じらいを見せるまゆこは、確かに可愛い」

「……? わたしみたいな人は他にもいるでしょう? ……ついうしろに下がってしまう人」

「王宮社交界の女性たちは、自分の望む結婚相手を見つけると、猛獣になって襲いかかってくるぞ。控えめでしとやかな者は、男どもにすぐ食われる」

 さすずめ彼女はすぐに食われる方だ。冗談だとしても笑えない。
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