不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
「二百年の間に、バーンベルグの者はどんどん減っていった。最後に残った私の父と叔父は母を奪い合った。母は父を選んで妻となったが、私が生まれたあと、父は魔法力で叔父と戦って生涯を終えた。私が五歳のときだ」

「五歳……」

「母は病で父を追い、叔父は母を追って自害した。私以外、誰も残らなかった」

 胸の奥が痛む。以前、ジリアンは言った。

『私は、たった一人のバーンベルグだ』

 呪われた公爵ジリアン。彼が、愛する者を見つけられなければ、バーンベルグ家は滅びる。

「私の〈ただ一人〉が、ウィズにいないことは早くから分かっていた。探査の力だけは発揮できていたからな。だから、召喚魔法で別の世界を探したんだ」

 そうしてまゆこが来た。
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