不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
『いつも通りに』
ジリアンは魔法闘技に出る。ただでさえ見通しが暗いのに、彼の心に負担を掛けてはいけない。
まゆこは顔を上げてにこりと微笑んだ。ジリアンは彼女をじっと見ている。
「遅くに来て悪かったわ。わたしにできることはないのね。よく分かった」
「……必ず無事に帰す。家族の元へ戻れるようにする。ウィズを楽しんでくれ。いい思い出になるように」
「そうする。王城へ行くのが楽しみだわ。じゃ、部屋へ戻るね」
ソファから立つ。
気持ちが沈んでゆくのを止められないが、必死になって押し隠す。
寝室まで送ろうと言うジリアンを止めて、彼女は一人で戻った。歩いているうちにかなり冷えたのか、寝室のぬくもりに入るとほっとした。
鍵を掛けてベッドへ潜り込む。気を緩めた途端、涙が零れた。
「必死で生きているのはウィズの人たちも同じなのに、気晴らしだなんて軽く考えたから罰が当たったのかもしれない……」
涙がこぼれて止まらない。
「今夜だけは、いいよね? ……エルマ、大目にみて」
明日からは、この三週間近くと同じ〈いつも通り〉でいるから――と、枕に顔を埋め、胸臆で囁いた。
ジリアンは魔法闘技に出る。ただでさえ見通しが暗いのに、彼の心に負担を掛けてはいけない。
まゆこは顔を上げてにこりと微笑んだ。ジリアンは彼女をじっと見ている。
「遅くに来て悪かったわ。わたしにできることはないのね。よく分かった」
「……必ず無事に帰す。家族の元へ戻れるようにする。ウィズを楽しんでくれ。いい思い出になるように」
「そうする。王城へ行くのが楽しみだわ。じゃ、部屋へ戻るね」
ソファから立つ。
気持ちが沈んでゆくのを止められないが、必死になって押し隠す。
寝室まで送ろうと言うジリアンを止めて、彼女は一人で戻った。歩いているうちにかなり冷えたのか、寝室のぬくもりに入るとほっとした。
鍵を掛けてベッドへ潜り込む。気を緩めた途端、涙が零れた。
「必死で生きているのはウィズの人たちも同じなのに、気晴らしだなんて軽く考えたから罰が当たったのかもしれない……」
涙がこぼれて止まらない。
「今夜だけは、いいよね? ……エルマ、大目にみて」
明日からは、この三週間近くと同じ〈いつも通り〉でいるから――と、枕に顔を埋め、胸臆で囁いた。