不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
 彼女が着付けられた出発のためのドレスは、金箔が織り込まれたそれはきらびやかなものだったが、隠しポケットもちゃんとある。

 ハンカチに包んだ葉をそこに入れておいた。王城へ持っていくつもりだ。

 目の前にあるヒイラギから取れてしまった葉だ。子のようなものだと思えるから母木に願う。

「王城にも一緒に連れて行くわね。お守りになってくれているのよ。ジリアンのこと、あなたにもお願いする。どうか彼を守って」

 ジリアンはまゆこに樹木の守護があると言った。自分では分からなくても、いまは頼りたい気持ちだ。
< 180 / 360 >

この作品をシェア

pagetop