不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
「行ってきます」
ヒイラギがさわさわと葉を揺らした。『行っていらっしゃい』と応えてくれたかのようだ。顔を上げれば、バラの花々もこちらを見ている。
見送られている。そんな感じがした。
――不思議。ウィズに来てから、木や花たちが語りかけてくれる気がして仕方がない。やっぱり、自然の中に魔法エネルギーが溜められている世界だからかな。
庭から直接玄関ホールまで行き、皆が頭を下げる中を歩いて外へ出る。
正面玄関前の広場に、何台もの馬車が連ねられているのを見て驚いた。
「こんなに何台も引きつれて行くの?」
振り返ってエルマに尋ねる。
「はい。バーンベルグ公爵の勢力を誇示する意味がありますから、質素というわけにはまいりません」
そこで声を落としたエルマはまゆこに囁く。
「ルース様がそのように言っておられました。あの方が奔走されて、用意を整えられたようです」
それであれほど目の下に隈が……と、さすがに同情を禁じ得なかった。
ヒイラギがさわさわと葉を揺らした。『行っていらっしゃい』と応えてくれたかのようだ。顔を上げれば、バラの花々もこちらを見ている。
見送られている。そんな感じがした。
――不思議。ウィズに来てから、木や花たちが語りかけてくれる気がして仕方がない。やっぱり、自然の中に魔法エネルギーが溜められている世界だからかな。
庭から直接玄関ホールまで行き、皆が頭を下げる中を歩いて外へ出る。
正面玄関前の広場に、何台もの馬車が連ねられているのを見て驚いた。
「こんなに何台も引きつれて行くの?」
振り返ってエルマに尋ねる。
「はい。バーンベルグ公爵の勢力を誇示する意味がありますから、質素というわけにはまいりません」
そこで声を落としたエルマはまゆこに囁く。
「ルース様がそのように言っておられました。あの方が奔走されて、用意を整えられたようです」
それであれほど目の下に隈が……と、さすがに同情を禁じ得なかった。