不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
 これで終了のはずが、国王は言った。

「近くへ」

 身体を屈めて、顔を近づける。

「遠くからよく来た。公爵を支え、ゲルツ王国を守ってくれ」

 まゆこは、『遠くから』の一言にはっとして国王の顔を間近に見るが、年老いた国王は温和な笑みをうかべるばかりだった。

「はい。陛下」

 返事はそれ以外にない。

 国王は目を閉じて静養の状態に戻る。謁見はそれで終了した。まゆこはジリアンと共に国王の寝室を辞した。
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