不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
光り輝くようなブロンドのカーライルよりも、ずっとおとなしめの髪を靡かせて踊るダレルは、『国王になる気はありません』と彼女に耳打ちした。
「僕はジリアンやゲオルグより十歳以上も年上になります。体力的に追いつけない。妻も子もある。魔法闘技で怪我をしたら家族が悲しみますからね。適当なところで〈負け〉を宣言するつもりです」
「カーラは、そういうやり方は認めないのではありませんか?」
「妹は僕のやり方に文句ばかり言いますが、今回はなにも言わないでしょう。ジリアンが相手ですから」
クルリと回ってすぅっと誘導される。すぐ近くで他の貴族の令嬢と踊っていたジリアンが、離れてゆくまゆこを微妙な眼で追っていた。
曲の途中だったにも関わらず、ダレルはまゆこをカーライルがいる壁の方へ導いてゆき、そこで離れた。
「僕はジリアンやゲオルグより十歳以上も年上になります。体力的に追いつけない。妻も子もある。魔法闘技で怪我をしたら家族が悲しみますからね。適当なところで〈負け〉を宣言するつもりです」
「カーラは、そういうやり方は認めないのではありませんか?」
「妹は僕のやり方に文句ばかり言いますが、今回はなにも言わないでしょう。ジリアンが相手ですから」
クルリと回ってすぅっと誘導される。すぐ近くで他の貴族の令嬢と踊っていたジリアンが、離れてゆくまゆこを微妙な眼で追っていた。
曲の途中だったにも関わらず、ダレルはまゆこをカーライルがいる壁の方へ導いてゆき、そこで離れた。