不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
ダレルが造った土壁が、斜めに生えてゆく何本もの太い氷柱によって撃破された。ジリアンの攻撃力の強さに、見ている者たちのため息が漏れる。
魔法を操る様子に迷いはない。出逢ったころのジリアンとはずいぶん違う。やはり彼は、愛する者を見つけたのだ。
ルースは間諜の頭だけあって何でも知っている。ジリアンに〈ただ一人〉の人が現れたかどうかも知っているに違いない。
聞きたい気持ちはあっても、とても聞けそうになかった。
まゆこは、元の世界へ帰るから自分ではないという大前提を持っている。
偶然見てしまった光景が頭から離れない。カーライルが彼に飛びかかるようにしてキスを仕掛けていた。
――キス……した? 手で受けたよね。でも、そのあとは……?
ドアを開いて確かめればよかったのに、脚が竦んで動けなかった。
情けない自分。一歩引いてしまうのを直したいと考えているのに、動けなくては話にならない。
魔法を操る様子に迷いはない。出逢ったころのジリアンとはずいぶん違う。やはり彼は、愛する者を見つけたのだ。
ルースは間諜の頭だけあって何でも知っている。ジリアンに〈ただ一人〉の人が現れたかどうかも知っているに違いない。
聞きたい気持ちはあっても、とても聞けそうになかった。
まゆこは、元の世界へ帰るから自分ではないという大前提を持っている。
偶然見てしまった光景が頭から離れない。カーライルが彼に飛びかかるようにしてキスを仕掛けていた。
――キス……した? 手で受けたよね。でも、そのあとは……?
ドアを開いて確かめればよかったのに、脚が竦んで動けなかった。
情けない自分。一歩引いてしまうのを直したいと考えているのに、動けなくては話にならない。