不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
カーライルの技は空気の弾丸だったが、こちらは炎の爆弾だ。ジリアンの氷の槍を砕いて、彼に直接焔を当てようとする。接近戦を狙っていた。
空気中に炎と氷がぶつかり合うが、固形の氷よりも、場を舐める炎の威力が勝っているように見える。
焔の激しさを目の当たりにして、観客側も思わず腰が引いてゆく。
ゲオルグには勢いがあり、ジリアンはどうしても避ける側になっている。
あの炎は、下手をすると相手に相当なダメージを与えそうだ。焼き尽くすという意志が籠った狂喜の炎だった。
「ジリアン――っ」
思わず叫んでしまう。耳をつんざくような歓声の中では届くはずもない。
けれど、一瞬でもこちらを見たのは、まゆこの嵌めている指輪が彼女の声を届けたからかもしれない。
「マユコ様、それ以上乗り出すと落ちてしまいます。雪が頭上に積もっていますよ。コートを着てください。そしてフードを被られませんと」
横にきたエルマが、手に持っていたコートをまゆこに差し出すが、目にも入らない。
空気中に炎と氷がぶつかり合うが、固形の氷よりも、場を舐める炎の威力が勝っているように見える。
焔の激しさを目の当たりにして、観客側も思わず腰が引いてゆく。
ゲオルグには勢いがあり、ジリアンはどうしても避ける側になっている。
あの炎は、下手をすると相手に相当なダメージを与えそうだ。焼き尽くすという意志が籠った狂喜の炎だった。
「ジリアン――っ」
思わず叫んでしまう。耳をつんざくような歓声の中では届くはずもない。
けれど、一瞬でもこちらを見たのは、まゆこの嵌めている指輪が彼女の声を届けたからかもしれない。
「マユコ様、それ以上乗り出すと落ちてしまいます。雪が頭上に積もっていますよ。コートを着てください。そしてフードを被られませんと」
横にきたエルマが、手に持っていたコートをまゆこに差し出すが、目にも入らない。