不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
「ジリアン……」
呼ばずにはいられない。広い場所の真ん中あたりに立つ彼を、小さな声で呼ぶ。
ルースが重ねて言う。
「ジリアン様は止まりません。長い間、半分眠ったようだったあの方は、山が動くようにして歩み始めた。マユコ様。ご覧になっていてください。最後まで」
まゆこは椅子から立ち上がって、手すりから乗り出すようにして見た。
彼女の頭上に雪が降りかかる。風が吹いて、髪が舞い上がった。
ルースも立ち上がって隣に並ぶ。
眼下では戦闘が始まる。
ルースの情報通り、ゲオルグは炎の使い手だった。
黒のズボンと黒のシャツ、丈の長いベストという出で立ちだ。
彼の両手には肘から甲までの革の手甲が嵌められている。掌の側にもなめし皮が当てられていて、そこにはたぶん、魔法陣が描いてあるに違いない。
掌をジリアンに向けて短い魔法言語を口にすると、そこから炎の塊が飛び出す。
呼ばずにはいられない。広い場所の真ん中あたりに立つ彼を、小さな声で呼ぶ。
ルースが重ねて言う。
「ジリアン様は止まりません。長い間、半分眠ったようだったあの方は、山が動くようにして歩み始めた。マユコ様。ご覧になっていてください。最後まで」
まゆこは椅子から立ち上がって、手すりから乗り出すようにして見た。
彼女の頭上に雪が降りかかる。風が吹いて、髪が舞い上がった。
ルースも立ち上がって隣に並ぶ。
眼下では戦闘が始まる。
ルースの情報通り、ゲオルグは炎の使い手だった。
黒のズボンと黒のシャツ、丈の長いベストという出で立ちだ。
彼の両手には肘から甲までの革の手甲が嵌められている。掌の側にもなめし皮が当てられていて、そこにはたぶん、魔法陣が描いてあるに違いない。
掌をジリアンに向けて短い魔法言語を口にすると、そこから炎の塊が飛び出す。