不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
「あのとき、マユコ様が庇ってくださったとエルマはすごく嬉しそうでした」
締めとばかりに言い終えてから、ルースは自分の冬用コートの裏へ右手を挿れると、そこから二つの白い球を出した。片手で二つほどは握れる大きさだ。
カーライルが次の魔法を繰り出す前に、エルマが素早い動きで向かってゆく。それに合わせるようにして、ルースはその球を前に投げた。
魔法具ではなかったと思う。床に投げられたそれは、当たった瞬間に爆発して真っ白い煙を出した。
モクモクと上がった白煙によって通路が埋められ、視界が通らなくなった。
「マユコ様、口を押えて。走って」
ルースに手を引っ張られて走る。手で口は押さえたが、視界はほとんど利かない。
「おのれ……っ」
棒によって壁際に押さえつけられたカーライルが、高い声でなにかを言おうとしたが喉に煙が入ったようで、こほこほと咳をした。
これによってますます魔法を繰り出せない状態になった。
結局、どれほど気が強くても、どれほど魔法力があっても、カーライルは戦闘訓練が不足している。所詮はお姫さまであって、実戦経験はなかった。
締めとばかりに言い終えてから、ルースは自分の冬用コートの裏へ右手を挿れると、そこから二つの白い球を出した。片手で二つほどは握れる大きさだ。
カーライルが次の魔法を繰り出す前に、エルマが素早い動きで向かってゆく。それに合わせるようにして、ルースはその球を前に投げた。
魔法具ではなかったと思う。床に投げられたそれは、当たった瞬間に爆発して真っ白い煙を出した。
モクモクと上がった白煙によって通路が埋められ、視界が通らなくなった。
「マユコ様、口を押えて。走って」
ルースに手を引っ張られて走る。手で口は押さえたが、視界はほとんど利かない。
「おのれ……っ」
棒によって壁際に押さえつけられたカーライルが、高い声でなにかを言おうとしたが喉に煙が入ったようで、こほこほと咳をした。
これによってますます魔法を繰り出せない状態になった。
結局、どれほど気が強くても、どれほど魔法力があっても、カーライルは戦闘訓練が不足している。所詮はお姫さまであって、実戦経験はなかった。