不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
エルマとルースが奮戦している。魔法があっても歪む地だったから、身体能力の高い彼らは、同行者としてかなり優秀だった。けれど時間の問題だ。
激しい息遣い。体温が下がってきたのか震えがくる。視界がぼんやりしてきた。
目の前には大地を覆う白い雪。その中で鮮やかな緑色をして存在を主張する一枚の葉が落ちていた。
「ヒイラギの、葉」
バーンベルグ城で落としてしまった葉だ。お守りとして持ってきていた。包んでいたハンカチが風で揺れて開いている。
ヒイラギは、魔除け――。
手を伸ばして握り締める。そして祈った。
「《穴を塞いで。この場所の穴だけでいいの。短時間だけで。この世界のためになんて言わない。ジリアンのために。彼が役目を果たすまででいいから、助けて》」
「マユコ様っ、いけませんっ。もう限界……っ」
エルマが握っていたまゆこの手を開かせようとするが、それは敵わず魔法が発動した。ヒイラギの木が立ち上がってゆく。
雪を分け、障壁の穴を塞ぐように壁に沿ってどんどん高くなる。
穴から入ろうとしていた魔物たちは、ヒイラギを恐れた。
激しい息遣い。体温が下がってきたのか震えがくる。視界がぼんやりしてきた。
目の前には大地を覆う白い雪。その中で鮮やかな緑色をして存在を主張する一枚の葉が落ちていた。
「ヒイラギの、葉」
バーンベルグ城で落としてしまった葉だ。お守りとして持ってきていた。包んでいたハンカチが風で揺れて開いている。
ヒイラギは、魔除け――。
手を伸ばして握り締める。そして祈った。
「《穴を塞いで。この場所の穴だけでいいの。短時間だけで。この世界のためになんて言わない。ジリアンのために。彼が役目を果たすまででいいから、助けて》」
「マユコ様っ、いけませんっ。もう限界……っ」
エルマが握っていたまゆこの手を開かせようとするが、それは敵わず魔法が発動した。ヒイラギの木が立ち上がってゆく。
雪を分け、障壁の穴を塞ぐように壁に沿ってどんどん高くなる。
穴から入ろうとしていた魔物たちは、ヒイラギを恐れた。